オンライン講座の報告 「多様な性について」2022年5月15日 講師東小雪さん

コロナ禍の「人権」を考える~見えないことを知る~オンライン講座シリーズ2回目は「多様な性について」元タカラジェンヌで自身をレズビアンと公表しているLGBTアクティビストの東小雪さんにお話を伺いました。

 

<LGBTは身近な存在>

LGBTはL=レズビアン(女性同性愛者)、G=ゲイ(男性同性愛者)、B=バイセクシュアル(両性愛者)、T=トランスジェンダー(出生時に割り当てられた性別とは違う性別で生きる人・生きたい人)のアルファベットの頭文字を取った言葉で、「性的マイノリティ(少数者)の総称」と説明があり、男か女かだけではない多様な性がある。
LGBTは人口の8.9%で11人に1人いるという調査もあり(電通ダイバーシティ・ラボ「LGBT調査2018」)実は身近な存在であること、日本で多いとされている「苗字」の佐藤・鈴木・高橋・田中さんの総数より多いと例えられて、「自分の周りに性的マイノリティがいても、見えてないだけかもしれない、LGBTは身近にいる存在」だとの事。

 

<SOGI(ソジ)とは>

SO:Sexual Orientation=性的指向とG I:Gender Identity=性自認を合わせた言葉です。「どんな性別を好きになるのか」「自分自身をどういう性だと認識しているのか」という言葉でみていくと、身体と心の性が一致しており異性が好き、という人も含めて、すべての人が持っているもの。

LGBTに関するよくある誤解や社会的困難のお話では、特に教育現場での対応について「教師が児童・生徒に対して揶揄(やゆ)したり、笑いの対象にしないこと」そして「女性あるいは男性はこうあるべき」という社会の規範意識から外れる人たちを攻撃するような価値観をなくすことが大事であるとの事。

同性婚の法制度は進んでおらず、家族になりたいけれど、婚姻できないことで制限を受けている、相続権がない、配偶者控除が受けられない、手術の同意書にサインできないことがある、特にコロナ禍では施設や病院の面会ができないなど日本は不寛容な社会だ。
現在、209の自治体で「同性パートナーシップ制度」が導入され、2,832組に証明書が交付されており(虹色ダイバーシティ調べ2022年3月31日現在)少しづつ前進の傾向はある。

 

<LGBTのアライ(理解者・味方)になろう!>

LGBTの味方・理解者のことを「アライ」というそうです。まずは知ることから始め、見えない=いない(と思う)のではなく、見た目や声で判断せずに、身近な存在であり、一人一人違う、というあたりまえを忘れず、すべての人に通じる問題だと認識することが、最初の一歩になるのだと思います

 

その後

<6月15日改正人権尊重条例が都議会で成立>
「東京都パートナーシップ宣誓制度」を盛り込んだ「改正人権尊重条例」が6月15日
都議会本会議で成立しました。

以上