OTA未来カフェ【児童養護施設等を退所した後のサポートのあり方】を開催

(虐待をなくそうシリーズ2)

6月19日(土)午後 シリーズ1に続き伊藤楓さんをゲストに招き、施設退所後の自身の体験談を中心にサポートの在り方について、ZOOM参加11名、会場参加10名が参加して話を聞いた。

会のスタートに当たり、シリーズ1と同様に、伊藤さんからのメッセージ「二次加害」を確認した。このような集会において参加者の心ない言動が体験者をさらに苦しめている。当事者への発言で、「そんなことあるわけがない」、「映画みたい」など経験を否定する言葉、勝手なアドバイスなどの価値観の押し付け、などが起こらないようお互いが配慮することを確認した。

伊藤さんは高校卒業と同時に自身が育った児童養護施設の勧めにより、ある企業に住み込みで就職。しかし、支度金として支給された30万円の半額を入職時の必要経費の名目で求められ、勤務が始まるとほぼ毎日の残業、給料は未払い、隔月でお小遣いと称した3万円の支給があるだけという数か月を過ごしたという。友人に「それはおかしい」と言われて、児童養護施設の職員に相談しても、「あなたがちゃんとしていないからじゃないか」、「あなたが辞めたら次の人が就職できなくなる」と叱られ、取り合ってもらえず、耐えるしかなかった。限界が来た時に会社の寮を飛び出し、友人宅へ。次の仕事を探すためにハローワークに                                         行くと住所が無いので受付が出来ない。更に「離職届」が必要と言われ、仕方がなく勤めていた企業に連絡するが『そんな人物を雇ったことがない』との対応で、働いていた9か月間を無かったことにされた。そのような状況で伊藤さんは過酷な路上生活も体験する。のちに出会った夫妻に救済されるが、人を信じることが容易にできなくなっていたという。施設を出る前は、社会の仕組みについて、雇用契約、労働基準法、年金や保険の掛け方など働く者に必要な情報、さらに、一人暮らしをするための基本的な買い物や料理などの知識についても得る場がなかったと話された。

大田区には大田区子ども家庭総合支援センター(仮称)が設置されます。若者が自分の将来を描くことができる情報・機能が揃えられることを提案していきましょう。

 

後日ゲスト伊藤楓さんが取材を受け、毎日WEB版に掲載されました。

https://mainichi.jp/articles/20210623/k00/00m/040/246000c