何らかの理由で義務教育過程を終えられなかった人が学び直すことができるのが夜間中学校。たとえば以前は、戦争中の混乱で学校を卒業できなかったとか、貧しくて学校にいけなかったとか、という理由でご年配の方が学び直しに来られることが多かったようです。しかし今は日本に働きにこられた外国人や不登校経験者が多くなってきています。この2月に新しい法律ができ、(「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」)、これによって義務教育を終えた人でも、なんらかの理由で十分な勉強ができなかった人に門戸が開かれました。不登校の子どもたちに学習の機会を提供するためでもあります。
●葛飾区立双葉中学校夜間部
先日、64年の歴史のある葛飾区立双葉中学校夜間部を見学させていただきました。
校門
現在55名の在籍で定員いっぱいだそうです。8クラスあり1クラスは8人。通常学級が4クラス、日本語学級3クラス。不登校経験のある生徒が多いクラス、日本語を基礎から習うクラスなど生徒の状況に合わせてクラス編成がなされています。職員は10名、少人数のクラスなので、生徒に関して職員間で情報共有して必要があれば対応を考えているそうです。
●リラックス・ありのままの自分を出す
各クラスを見学させていただくと、生徒は実に和気あいあいと楽しそうで、笑いが時々起こる授業風景でした。少人数なので、教師が一人一人に話しかけ、交流型の授業です。そもそも“学びたい”という意欲のある生徒が集まっているせいか、活気があります。
学校行事は、運動会、文化祭では各国の料理を作って地域の人にふるまうそうです。フィリピンカレー、餃子などお国自慢を披露です。移動教室は日光(一泊)、修学旅行は京都・奈良(2泊3日)。都内にある夜間中学8校では生徒会交流会というレク、学校対抗のバレーボール大会、バスケットボール大会など、親睦を図っているそうです。
●夜間中学の魅力
・年齢も国もいろいろなので、周りと自分を比較することもなくリラックスして自分を出せる。
・少人数なので一対一の対応が多く、参加している実感、理解できるまで教師が寄り添ってくれる安心感がある。
・ふれあい、人間的な温かさ、異年齢・多文化共生、一人一人に寄り添う授業。
長年、不登校で引きこもっていた人がすっかり自信をつけて、元気になっていく・・・。
夜間中学の力がますます発揮される時代になってきているようです。