品川火力発電所視察報告

 9月29日(水)東京電力㈱品川火力発電所を視察しました。

 同発電所は、りんかい線・東京モノレ−ル天王州アイル駅から徒歩5分ほどの、ホテル、オフィスビル、劇場等の商業複合ビルが林立する再開発地域から運河を挟んで隣接した臨海部にあります。
 
 東京電力の総供給量は水力、火力、原子力合わせて約6,400万kw/日です。
 そのうち東京23区には1,520万kw が供給され、品川、大井両火力発電所ではその約13%にあたる200万kw が供給されています。
 総供給量にしめる水力、火力、原子力の割合は、水力7%、火力50〜60%、
原子力40〜33%となっていますが、平成15年は原子力発電が止まっていたため16%で、火力が不足分を補いました。
 東京電力の火力発電所は全部で15施設、神奈川、東京、千葉、茨城の各臨海部にあり、東京はこの品川と大井発電所の2箇所のみです。
 
 火力発電所と聞くと「石炭、原油等の化石燃料を使用し、二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOX)、硫黄酸化物(SOX)等が多く排出されるのでは」と誰しもが懸念するのではないでしょうか。東京電力では、このような環境面を考慮し、約10箇所の火力発電所がこれらの発生が少ない天然ガスの使用に切り替えています。
 特に、品川火力発電所は施設を建替えた際に使用燃料を都市ガス(東京ガスによる)に切り替え、さらに改良型コンバインドサイクルという発電システムを採用した結果、SOXは排出されず、CO2も約46%低減されたそうです。(改良型コンバインドサイクルとは、出力したガスタ—ビンから出る熱を利用して蒸気を作り、蒸気タ—ビンによる発電も行なうという最新式システムで、発電効率は50%とのことです)

 電気は貯めておくことができず、また、遠くの発電所で発電された電気を運ぶ際には送電ロスがあるので、消費地の近くで発電されることが理想です。

 東京という大都会に安定した供給を行なうとともに、環境負荷を極力低減するという課題が電力会社には課せられていると実感しました。
                   (環境部 飯島時子:写真中央)