原発はもういらない! 第5回福島を忘れない!シンポジウム 7月16・17日 福島にて

2017年7月25日 15時49分 | カテゴリー: トピックス

原発事故後の被害自治体の状況を知ることを通して、福島をはじめ、原発立地地の自治体議員や市民と手を結び、原発のない社会を実現することをめざして毎年行われているシンポジウム。

初めての参加でしたが、放射線被ばくの健康被害をきちんと調査しようとしていない現実、線量も高くとても生活できないところに帰還指示が出ている現実、復興予算の名を借りて、莫大なお金が建設業に流れる構造、廃炉の見通しもないのに再稼働の準備がなされていること・・・この国の無責任な「原発政策」と「人権意識の低さ」に暗澹たる思いを抱きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、それぞれの被害状況を共有し、問題を分析し、連帯して訴えていくことの大切さを教えられたこのシンポジウムには深い感銘を受けました。

★講演

「チェルノブイリと福島」  

NPO法人Our planetTV代表理事 白石草氏

ロシアの子どもに対する対策は“予防” → 国をつくるのは子どもだから

チェルノブイリでは、一部非常に高い被曝量を強いられた住民もいるが、ほとんどの地域での被曝線量は同じレベル。しかし対応の差がこんなにも大きい。

●甲状腺がんだけではない!健康レベルがさがっている!

チェルノブイリ・ウクライナの取り組み
ウクライナのジトーミル州のコロステンを取材。27年たつが、多くの子どもが多くの疾患をかかえている。成長期に被曝していた母親から生まれた子どもたちに健康被害がでている。甲状腺がんだけではなく、めまい、頭痛、鼻血、胃潰瘍、心疾患、脊椎側弯症、知的障害・・・。学校の授業時間を45分から40分に短縮。1年生は40分を35分に短縮するなど、健康レベルの落ちている子どもたちの体調に配慮した環境づくりをしている。全身の不調を継続的にチェックするために「住民放射線防護専門健康センター」も開設され、きめ細かく子どもの体調回復に専念。例えば、年に3回、感染症にかかる→免疫力が低下ということ→保養プログラム)。ウクライナでは出生率が低下。成長期に放射線を浴びた子どもの生殖機能に影響が出ている可能性大。保養庁も最近新たに設置するなど「予防原理」に基づいて対策に努めている。

●一方、日本は

津田敏秀教授の論文:甲状腺がんは、日本全国の年間罹患率を比較すると中通り中部の発生率は50倍、全体としても30倍と多発。原発事故の可能性以外考えられないと。
特に成長期に放射線を浴びることの危険性はチェルノブイリで学んでいるはず。しかし、現政権は20ミリシーベルト以下なら、帰還しなさい、とは!

★避難解除地区の現状報告

  菅野清一・川俣町議会議員

●福島第一原発の水素爆発と放射能拡散
・3月15日 3基の爆発により、セシウム90万テラベクレル、ヨウ素は毎時18兆ベクレル。山木屋地区に大量の放射性物質が降り注ぐ。山木屋小学校の校庭でセシウム・ストロンチウム90合わせて59,000ベクレルが検出。
・SPEEDIのデータは公表されず、3月17日~19日にかけて米エネルギー省が米軍機による実測値データを提供するが政府は放置、原発事故避難にいかさず。
・飯館・浪江・川俣町山木屋の子どもたちの尿検査は、牛肉検査のために後回しに。6月下旬より茨城県つくば市や千葉に出向き検査を受ける。一部の子どもから高い値が検出される。
・福島県内38万人の18歳未満の子どものうち、191人の小児甲状腺がんが発生。

隠ぺい体質は続く

・IAEAと福島が覚書を結ぶ
「可能な限り情報の普及を支援するが、他方の当事者によって秘密として指定された、情報の秘密性を確保する」とされ、被災者の健康管理において隠ぺいが危惧される。
・山木屋地区の除染(国直轄)、2,000ヘクタール、費用450億、廃棄物62万袋、施工業者は大手ゼネコンによるJV、一日2,500人の作業員が動員。
・除染廃棄物の仮設焼却炉、建設ラッシュ、19市町村で24基、実質稼働日数2カ月~4年で解体。総事業費200億円。
・平成29年3月31日、避難指示解除。しかし帰還者は214人(94世帯)、自主避難者は207人(84世帯)。

●避難解除後の課題
1、汚染された山林手つかずのまま避難解除。
2、1ミリシーベルト以上が2,000箇所以上ある。
3、農地は荒れている。除染廃棄物の山積みもあり、使えない。
4、帰還者が2割にも満たないため、商売が成り立たない。

 

 

 

 

 

 

道路からいたるところに見えるフレコンバックの山。雑草が生えているものも

 

★2日目・バスにて原発被害地の見学

福島市を出発、飯館村、南相馬市、双葉町、大熊町、富岡町、と原発海岸通り沿いを南下して福島市に戻る。バスには現地の自治体議員が乗り、要所要所で説明がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このバスで朝7時半から夕方4時半まで原発事故被害地を周る

たとえば飯館村:140床の特養に、介護者が集まらないせいで、35人しか入所出来ていない。帰還者が少ない中、スポーツ施設、幼小中の一貫校を建設中。建物は建っても人に寄り添っていない政策。今だけは、地方交付税や国庫支出金はうなぎのぼり、震災前は41億円だった一般会計が29年度は212億。

 

 

 

 

 

 

 

飯館村議会議員の渡邊計さん

 

 

 

 

 

 

飯舘村役場の前

 

帰還困難地域である双葉町、大熊町通過時は線量計がピーピーなり、一瞬4.4マイクロシーベルトにも。

山々の連なる福島、当然、除染は不十分。荒れ果てた土地に人がまばらという状況で、今後のまちの営み、税収、介護保険はどうなるのだろう・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大平山・ここは請戸小学校の子どもが津波から逃げ登った場所、ひとりの犠牲者も出さなかったという

 


 

そもそも廃炉に向けての見通しはあるのか。作業員毎日6,000人。素人が多い。
3号機はプルサーマル用のMOX燃料、ウラン燃料より放射線量が330倍、発熱量は3万3千倍、爆発力は250倍。使用済み燃料棒の抱懐熱が下がるまでに550年かかる。
また大地震があれば、壊滅的な事故、そして絶望的な被害になることは必須。

町の入口には「団結で町から締め出そう、暴力団」という標語があったが、私には巨大な暴力が町々を襲ったとしか思えないのだった。多くの人の夢や希望、普通の暮らしを一瞬で奪い、苦しみや不安が果てしなく続く原発事故。こんな愚かしい政策をなぜまだ続けるのだろう。

 

 

 

 

 

 

偶然ご一緒した、神奈川ネットワーク・横須賀市議会議員の小室さんと
東大和・生活者ネットワークの市議会議員の実川さんといっしょに