「あなたにはあなたらしく生きる権利がある」と伝えなくてはならない:せたがやホッと子どもサポート

2018年6月8日 15時34分 | カテゴリー: トピックス

せたがやホッと子どもサポート
子どもの人権擁護機関

「子どもの人権」が危ういと感じられる昨今、世田谷はいち早く「子どもの人権擁護機関」の設置を実現させました。5月24日、子ども・子育て総合センターをお訪ねしてその経緯や実態をお聞きしました。世田谷区では2002年に子ども条例を施行。2011年に選出された保坂区長は国会議員時代、児童虐待防止法やチャイルドラインの立ち上げに携わるなど、子どもの人権への思いが強く、「人権擁護」の仕組みを充実させてきた。2013年子どもの人権の擁護と救済のための第三者機関「せたホッと」を設置した。

 

 

 

 

 

 

 

こども・子育て総合センター(宮坂)

対象は18歳未満だが、高校在学している場合も対象。サポート委員は弁護士など専門職、サポート委員を補佐するのは相談・調査専門員で社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士、幼稚園教諭、保育士等の有資格者。事務局は子ども・若者部子ども家庭課の職員。

主な職務内容は
「子どもの権利の侵害についての相談に応じ、必要な助言や支援をすること」
話を聞かせてほしい、実際にいっしょに考えて、調べて解決を図る

電話対応:話してくれてありがとう、という。話すことは辛いことで勇気のいること。
本人が話しやすいように、どういうことに困っているのかを聞く。

 

 

 

 

 

 

 

相談を受けるデスク

●相談方法
電話・メール・手紙・FAX・会って相談
相談時間 月~金 午後1時~午後8時
土   午前10時~午後6時

●年々増え続けている相談
平成26年度 252件
平成27年  304件
平成28年  382件

●延べ相談回数
平成28年度 子ども812(63.8%) おとな461(36.2%)

●相談内容
1位 対人関係
2位 いじめ
3位 学校・教職員の対応
4位 家庭・家族の悩み

●相談対象となる子どもの所属  
小学生57% 中学生27.2%  高校生 12.6%
1位 小学6年生・・中学受験など悩みが増える
2位 中1
3位 小4
4位 小5

●相談者からの相談方法
子ども 電話39.9% メール24.9% 面接 6.8%
おとな 電話48.7% メール6.6% 面接7.2%

●相談内容の特徴
デートDV、ネットトラブル、虐待が多くなってきている

●実際の救済事例
いじめ
学校側ははじめ、「いじめ」はないという。 しかし少年は深く傷つき、自傷行為をするまでに。学校は「気にしすぎよ」といい、親は「がんばりなさい」という。少年はついに入院。「だれもぼくのいうことを聞いてくれなかった」と。第三者が一つ一つ関わっていく中で解決。学校が気がつかない「いじめ」もある。SNSなど。
教師が注意しても加害者にもプライドがあり、「向こうもやった」などと反省しない。子どもは教師から「評価」を受ける対象だから非を認めたがらない。第三者機関として加害者の話も共感的に聞くことで、加害者が不登校になった少年を学校まで誘うまでになる。

・チャイルドライン・・・広く悩みを聞くことに特化。
・スクールカウンセラー・・・90人。都・区。子どもにアドバイスはできるが、担任の問題や学校運営のことまで指摘することが難しい。虐待なら児相に。解決できないことは「せたホッと」に、と紹介されてくる。

第三者機関だといいやすい。

●学校に問題
発達障害の子どもへの対応が不適切
親が障害のために“書くことが苦手”であることは伝えてあるが、理解できない教師。
毎日のように「ていねいに書きなさい」。親に対しても「もっときちんと練習させてほしい」
→スマイルの先生と場を設定して、担任の先生が傷つかないようにケース会議を開く。カウンセラー、保健の先生も同席。

●急増する発達障害の子どもたちに対して受け入れ体制が整っていない
教師の手がまわらず、つぶれていく現実。教育委員会との話し合い。支援員をふやしてほしい、と「せたホッと」として意見書を提出

●親の過干渉
これができないとご飯をあげない
子ども家庭センターや学校に相談。おばあちゃんちに保護してもらうのがいいのか、と。
親から理不尽なことをされた。「あなたは悪くない」とまず伝える。子どもの意志を尊重し、見守る。

●いじめ予防授業
弁護士たちの授業。4年生以上。実際のいじめの事例を次々に話し、ざっくばらんに感じることを意見交換。何がいじめなのかがわかるようになる。授業を受ける前は8割の子どもが「いじめられる側にも問題がある」と考えていたものが授業終了後にはそう考える子どもがゼロになる。せたホッとで判断して、学校に提案することもある。個別の問題を解決するとともに全体の流れを変えることが必要なときもある。

●なぜ、いじめがなくならないか
子どもの置かれている環境が改善されていないから
ストレスフルな環境が弱いものに向かう
塾通いの忙しさ→来週は全部詰まっているから再来週遊ぼう、という子どもたち。
遊ぶと言っても空き地を駆け回ることもできない。ストレスを発散する場所がない。

 


相談機関があることで、社会の問題、課題が浮き彫りになることでしょう。そこから施策を打っていく、その循環が必要だと考えます。