子どもにやさしいまちづくり~子どものいのちを真ん中に『第3回こども笑顔ミーティングシンポジウム』

2018年2月1日 14時08分 | カテゴリー: トピックス

2018年1月28日、池上会館にて「第3回こども笑顔ミーティングシンポジウム」が開催されました。

参加者は100名超! 熱気あふれる当日の様子をご報告いたします。

 

 

 

 

 

 

こども笑顔ミーティング実行委員会の代表・近藤博子さん

 

 

第1部
どの子どもにも“居場所“を
~子ども夢パークのめざすもの~

基調講演は川崎市子ども夢パーク所長、NPO法人フリースペースたまりば理事長の西野博之さん。「不登校」の子どもや「ひきこもり」の若者と32年間、関わってきた中での具体的な事例から、子どもの取り巻く環境の変化を考えさせられたお話でした。
児童虐待と小学生の暴力行為は過去最高を更新(文科省)。小中高校生の自殺は年間320人だそうです(厚労省)。他にもショッキングだったのは、いじめのピークは小学校2年生だということ。そんなに小さいうちからストレスをため込む、日本の状況とは!
子どもを追い詰める環境に、“貧困を含むネグレクト”と“過干渉”という、2極化した背景があるといいます。子どもの貧困率は13.9%、7人に1人が貧困で、食べることにも事欠く状況がある一方、「正しい親」をがんばろうと、子どもを追い詰める過干渉の親も増えているといいます。結果、自信のない、自己肯定感の低い子どもたちを生み出しているというわけです。

それでは、そんな子どもたちがストレスを発散したり、いろいろなことに挑戦したり、安心して失敗できる遊ぶ環境はあるでしょうか。不登校の子どもたちの居場所はあるでしょうか。学校外の居場所は絶対的に不足しています。そこで、川崎市では、居場所を見つけられない子どもたちの権利保障のために「川崎市子ども権利条例」を行政職員、市民、子どもが一緒になって策定、2000年12月議会にて全会派一致で成立させました。その条例の具現化が「子ども夢パーク」という、冒険遊び場(プレーパーク)です。不登校の子どもたちが通うことのできるフリースペースも夢パーク内にあり、毎日昼食を作って食べるなど、ゆったりした暮らしを大切に、自己肯定感を育む活動がなされているそうです。

 

第2部 パネルディスカッション
「大田区の子どもは今? “子どものいのちを真ん中”にした地域づくりとは?

パネラー
●土田妙子さん(子供の部屋保育園園長)
子ども時代を大切に。自ら思いっきり遊ぶことが重要。子どもが小大人にならないように。管理管理はダメ。親と子、保育者、子ども同士の信頼関係が土台。
人間にとって、何が大切なのか、親との交流を通して語り合っていきたい。

●小白木聡さん(カウンセラー・フリースクール運営)
子どもにとって、自由に遊ぶ経験は重要。リスク(不確実性)にチャレンジしていくための勇気づけが大切。多様性を認め合うこと、寄り添うこと、自尊感情を高めていくこと、人とつながっていくことをめざしている。

●武藤渓一さん(元スクールソーシャルワーカー)
以前、少年院に勤めていたが、少年院に来てからでは遅い。その後は職業も限られるし、続かない。虐待、外に解決策を求める情報提供が必要。少年たちには新しい価値観や人とのつながりが重要。自分が何をしたいのか、どうしたいのかを問うようにしていた。

 

 

 

 

 

 

 

パネルディスカッション。左から西野さん、武藤さん、小白木さん、土田さん

 

パネラーたちは、みなさん、自分の置かれた場所で、子どもが本来持っている力を発揮できるように寄り添っている方々でした。テーマでもある「子どものいのちを真ん中にした地域づくり」には、ありのままの子どもを受け入れることや、SOSを察知できる感度のいい大人の存在が欠かせないということを西野さんとパネラーのお話から確認することができた貴重な時間でした。

管理管理にいきがちなのは、大人の都合にちがいありません。大人の都合に無理やり合わせるのではなく、子ども・若者の「いのち」の方へ制度や仕組みを引き寄せること、「生きてるだけですごいんだ」「生まれてくれて、ありがとう」を届けるなど、大人の意識の転換が求められていることをこのシンポジウムで教えられました。

「不登校」「いじめ」「自死」などはどれも子どもたちからの警告であり、私たち大人は、個別の問題として捉えるだけではなく、大人社会の価値観の転換が迫られていると捉え、行動することを始めなければなりません。大田区においても「子どもの権利条例」を作り、理念を共有する中で、子ども本来の力が発揮できる、子どものいのちを真ん中にしたまちづくりをしなければならないと感じた一日でした。