大田区議会・平成29年度大田区一般会計補正予算第2次に賛成討論

2017年10月6日 14時55分 | カテゴリー: トピックス

第3回定例会が9月20日から始まりました。今回は決算特別委員会が続くので、10月16日までの長丁場です。議会始まってすぐの議論は「議員の海外派遣について」。攻防戦はあったものの、今年も「北京市朝陽区」と「ドイツ・ミュンヘン、スイス・チューリッヒ」に議員が4名ずつ出かけることになりました。私は目的が明確だと思えなかったので反対しました。

次に補正予算。補正額16億9969万2千円。保育園建設など児童福祉費が多くをしめました。
めずらしかったのは、教育費の中の「文化財保護・歴史的建造物の建築現況調査等」
賛成討論をしたので、ご報告いたします。

 


 

第65号議案平成29年度大田区一般会計補正予算第2次に賛成の立場から討論いたします。

この補正予算で大きく占める歳出の児童福祉費が、保育事業の充実に関するもの、待機児対策、保育士確保、また長らく新規施設整備が行われていなかった病後児保育の開設のために計上されていることは評価するところです。

特に病後児保育は、多くの保護者の切実な要望がありながら、子どもが病気の場合に必要となるサービスの特性上、利用者数の変動が大きく、安定的経営が困難であることからなかなか施設が増えないということを聞いていました。それでもなお設置する必要性があるので、協力してくれる小児科等を探すなど、どこの自治体も苦労しているところでしょう。
ファミリーサポートの中に病後児を扱う枠を作るなど、工夫をしている自治体もあるようですが、いずれにせよ、保育園を増やすなかで、病後児保育の充実は避けては通れないところです。安全に安心して預けられる仕組みと支援を今後さらに摸索していただきたいと考えます。

今補正予算には、教育費の文化財保護・歴史的建造物の建築現況調査に11,232,000円が計上されております。江戸時代の建物が現存しているとすれば、地域の歴史や文化の生き証人ともいえ、先人たちの切り開いてきた仕事や生活を子どもたちに伝えることで、生活や命が引き継がれてきていることからの「生きている」ことの重みを実感できる大変意義深い教育資源、地域遺産・文化遺産になると考えます。特に沿岸部では海苔の博物館があり、羽田の海苔の採取のことは有名ですが、多摩川流域、調布地区に関しては多摩川台古墳に見る古代の遺跡はあっても、江戸時代・近世の様子を伝えるものは少ないのではないでしょうか。

建築と言えば、江戸時代には遠く及びませんが、池上梅園には大正時代に建築された「清月庵」というお茶室があり、その美しい佇まいにお茶会などに盛んに使われており喜ばれております。この清月庵は、昭和60年までは池上本門寺の山門近くの西田邸と呼ばれた600坪の庭園の中にあったお茶室です。母屋の他に茶室が二つあり、その一つが清月庵です。どれも貴重な数寄屋建築で、当時、数寄屋建築で著名な設計、施工士で、名建築を残している川尻新吉氏と息子の善治氏が自分の住居として建てたものだそうです。指物師から設計士になった川尻氏なので、趣向を凝らした建具、江戸職人の技術と大正期の近代建築の技術が調和した建築で、贅を極めた木材が使われていたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

池上梅園の中の清月庵

 

マンション開発で、取り壊される危機に、地域の人たちが保存運動を展開しましたが、残念ながら保存はかなわず、つるはしなどで壊されてしまいました。近くに住んでいて、保存運動の先頭に立っていたお茶の先生が、専門家にみてもらい、なんとか復元できそうなものを集めて私費で保存し、再建、大田区からのオファーがあり、昭和62年、池上梅園の中に移築したものが、清月庵で現在に至っているわけです。

 

 

 

 

 

 

 

清月庵の由来

日本の優れた文化や職人技に対する私たちの抱く誇りは目には見えないかもしれませんが、私たちの心を豊かにしてくれます。しかし経済発展にまい進する中で、私たちは貴重な文化遺産を失ってきており、今、それに気がついてきたものの、何を文化財とするのか、どう守るのか、どう生かしていくのかに関しては、定義づけや方策はまだ確立していないのではないでしょうか。

今回、文化財調査に予算をつけたことは、大田区の高い見識であり、今後、貴重な遺産ともいうべきものを発掘し、守るべきものは守っていく体制をつくっていくさきがけになるものといえるのではないでしょうか。

以上のことから、第65号議案平成29年度大田区一般会計補正予算第2次に賛成いたします。