「おもちゃ病院・大田」を知っていますか

第45回大田区生活展(消費者生活センターにて、9月30日と10月1日)が開催されました。

今年のテーマは「未来へ」。様々な団体の活動紹介を興味深く見せていただきましたが、今回は特に「おもちゃ病院」の代表の渡辺さんにお話を伺いました。

「おもちゃ病院・大田」

毎月、第1日曜・第3日曜 10:00~15:30
消費者生活センター2階にて開設。

 

 

 

 

 

 

 

代表の渡辺さんと

 

2000年から活動を開始しておりもう18年も続いているそうです。
“使い捨て時代”には終止符を打ち、持続可能な循環型社会をめざす、子どもたちには“物を大切にする人になってほしい”という願いから、始まったそうです。

メンバーは、他の消費者団体は圧倒的に女性が多いのにこちらは男性が多いのが特徴です。少数派の女性はぬいぐるみを直したりと、縫物が中心で男性は電機や機械の修理が中心です。もとキャノンやリコー、富士通の技術者だった方もいらして、その確かな腕で、まったくの無報酬で、子どもたちの笑顔だけを報酬に黙々と働かれています。マルチモーターやギアやビス、収縮チューブなど、様々な部品を取りそろえ、4,5時間をかけて修理することもあるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

作業風景

 

毎月2回、どんなことがあっても(実際、大地震の次の日も、台風のときも)子どもたちがくるかもしれない、と思うと休むわけにはいかないと思って開設するそうです。信頼関係を大切にしたいと。

今では年間800件のおもちゃの修理を行い、1回に30件ほどの依頼があるそうです。プラレールや音の出るおもちゃが持ち込まれることが多いそうです。直さないものはピストル、たとえプラスチックの玉だとしても赤ちゃんの目に当たったら大変だから使ってほしくないおもちゃだといいます。

 

 

 

 

 

 

 

作業風景

 

おもちゃが治ってうれしくて手紙をくれる子どももいるとのこと。子どもたちが喜んでくれることが励みになっているとおっしゃっていました。

そうそう修理する人のことをドクター、女性はナースと呼ばれていましたが、おもちゃにもちゃんと市民権があって、大切に扱われることを象徴するかのような呼び名に感銘を受けました。女性スタッフの作った、お揃いのかわいいエプロンをつけて生き生きと働かれているドクターとナース。

生活展の今年のテーマは「未来へ」。このおもちゃ病院はまさに「未来へ」希望をつなぐ活動だと思いました。

“人へも物へも愛情を注ぐ”これが大田区の町工場の精神なのではないかと思い、大田区を誇りに思える“おもちゃ病院”との出会いでした。

 

 

 

 

 

 

 

生活展入り口