虐待を予防する ~産後ケアの大切さ~  助産師 宮里風葵さん(株式会社 とらうべ)

2017年6月24日 14時49分 | カテゴリー: トピックス

6月21日におおた社会福祉士会定例会が 「母子保健と福祉の連携を考える」をテーマに開催されました。(消費者生活センターにて)

社名「とらうべ」とは・・・赤ちゃんの心音を聴く器具。優秀な助産師は心音以外の周りの音も聴くことができる。

→ 母親の相談から、その背景まで聴き取っていくスキルを!

 

 

 

 

 

 

 

●お産は奇跡

支えていくのが助産師
必ずしも安産ではない。
正常な経過をみるのが助産師、逸脱すると医師。
〔心配な例〕若年出産、病気、経済的な困難、虐待やレイプによる出産
出産は通過点、退院すると生活が始まるが、そこに支援は?

●母子保健への助産師の役割

ホルモンに左右される女性の一生。変化に伴走していくのが助産師。

出産後の赤ちゃんに対する相談事業(1988~2015 8万2千件)
・第1位 0歳児期。低月齢のお子さんを持つ母親からの相談が多い。
・内容・身体的なことをきっかけに「こんなに大変だとは思っていなかった」と困惑、疲労感、不安感、切羽詰まった状況が伝わってくる。
・「赤ちゃんに話しかけても返してくれない」と真剣に悩む母親。

最初の1年間の重要性
親と触れ合うこと、欲求に応えてくれる人の存在を知る、心地良さを味わう

「手がかかる」ではなく「手をかける」
わざわざ手がかかるように生まれてきている→タッチケアで人間になっていく

タッチケア
母親にとっては、赤ちゃんの全身の観察、母としての自覚、自信
子どもにとっては、触れられる気持ちよさ、安心感
→五感を使うことでお互いを感じ合う、親子の関係が進む
産後ケア(訪問の場合)
例:授乳の仕方(吸わせるのは大変、楽な姿勢をアドバイス)、沐浴(いえのシンクを使って)、
マッサージ(母親へもマッサージをして休ませてあげる)、赤ちゃんの世話の仕方をアドバイスし、育児の相談にのる→母親の不安を取り除き、疲れをいやす(母親が疲れすぎると精神的にも落ち込む)、その家庭に合った、生活の中での工夫

●産後ケアはぜいたく品? 

他市町村での産後ケア事業
◆宿泊型(6泊7日程度)・医療機関、助産所等・1日2~3万円程度・半額が公費負担
◆デイケア型(1日6~8時間程度)・医療機関、助産所等・1日12,956円(平均)・半分以上公費
◆アウトリーチ型(1日2~3時間程度)・利用者自宅・6,442円(平均)・公費負担なし

・大田区の赤ちゃん訪問(生後4か月までに1回訪問)
だいじょうぶそうだと判定されるとマークがはずれる→養育支援が11名
最低限の人だけが対象に。予防なら枠を広げるべきではないか。
虐待は起こってからでは遅い、虐待はだれにでも起こりうること

・大田区の産後支援(おおたく助産師会報告)
〔1〕かるがも 母子手帳受け取り時 面談 30分/人
〔2〕養育支援 11名(85回訪問)特定妊婦に対して
〔3〕ゆりかご 89名(140回訪問・272時間)4カ月まで 沐浴・授乳の補助、お出かけ同行
出生数5,500件に対して少なすぎないか?

●まとめ・課題

産後ケアの必要性
おっぱいが張って苦しい
→支援がほしくて大田区に相談したが、家事サービスしかないといわれた。

産後ケアの支援がほしくても情報が取れない。行政のサービスにはない。
現状、産後ケアは民間でしかやっていない。よって行政からの紹介は得られない。

育児しながら働くということ、育児しながら生活するということを共に考えていく。
よりより子育て環境を共に作っていくのが助産師。

「妊娠・出産包括支援事業」の展開を大田区はどう進めていくか、助産師との連携が望まれる。