5/30「子どもを社会の真ん中に」~プレーパークから始まるまちづくり~報告

2015年6月3日 12時13分 | カテゴリー: トピックス

5月30日(土)10:00-12:00 、池上会館にて、市民の政策実現への集いと位置づけ、講師に、幾島博子さん(ふれあいの家・おばちゃんち代表理事)と宮里和則さん(北浜こども冒険ひろば施設長)のお二人をお招きしお話しをしていただきました。 

 「子ども時代に戸外で遊んだ経験はありますか?」との問いに、会場の30~70代と思われる参加した男女30名全員が手を挙げた。
 問いかけたのは品川区でまちづくり活動を続けるNPO法人ふれあいの家・おばちゃんち代表理事 幾島博子さん。市民政策実現の集いメインスピーカーとして「おばちゃんち」の活動を話して頂いた。
 「おばちゃんち」は設立から14年を経て会員(恒常的に活動する会員、できるときにできるだけその人らしく活動に参加する会員など)を70名程に増やしてきた。現在は就学前の子どもの預かり保育事業を主軸にし、2つの拠点と公共施設、公園を使い、乳幼児親子サロン、若者の語らいの場、冒険遊び場、学習、企画などの機会を提供している。
 「今、子どもが外で遊んでいる姿を見かけますか?」と幾島さんの問いかけは続く。公園にはルールがあり、さらに不審者・放射能・PM2.5・デング熱・熱中症…などの不安がある。一方、子どもだけで遊ばせると携帯型ゲーム遊びに偏る。見方を変えると企業の戦略に時間とお金をかすめ取られている子どもの姿である。親は不安回避と子どもの能力を伸ばしたい思いで塾や野球・サッカーなどに通わせる。子どもが公園や路地で遊ば(べ)なくなった。子どもは忙しいスケジュールの中で、学校や塾の先生、野球やサッカーのコーチなど責任を持つ大人に囲まれて生活することになる。子どものケガは“事故”になるため、事故が起こらないようルールがつくられ、守れない子どもは“悪い子”になってしまう。責任者と子どもは、「ごめんなさい」の関係になりやすい。子どもが子どもらしくゆっくり、のびのびと遊ぶことが難しくなっている様子が伝わってくる。

 ふれあい事業の「北浜こども冒険ひろば」は、まちの人々の通路になっている公園で月~土曜日、午後から日没まで行われている。『見せて、知ってもらって、見守ってもらう』ことが重なり、公園を通ったり、休んでいる大人たちと子どもとの関係が生まれている。サロンを利用する若いお母さんの価値観には驚かされることもあるが、お母さんの意思を受け止めて、親子が安心して過ごせる場所づくりをしている。預かり保育では赤ちゃんが泣くとスタッフがおぶい紐でおんぶして外に出ていく。路地では通りかかった人が赤ちゃんをあやしてくれる。毎日拠点の前を通り整体に通う高齢者が、お目当ての赤ちゃんに会いにくる。小学校の帰りに必ず声をかけていく子どもがいる。日々の対話が赤ちゃんやスタッフの助けになっている。
 「おばちゃんち」はゆるやかにつながる人を含め、運営に携わる人を増やすことを目指している。創設者の故渡辺美恵子さんは「関わる人が増えれば町が豊かなるでしょう」が口癖だった。「おばちゃんち」周辺では、「ありがとう」と言い合える“お互いさま”の関係、いつでも「たすけて」と言える関係がある。そのような関係を大事に育て、“まちづくり”を実践していることが感じられた。

 もう一名のスピーカー、北浜こども冒険ひろば施設長兼プレーワーカー宮里和則さんは、ひろばに関わる人々の様子を描写してくれた。ひろばでは、遊び道具としてのホース1本を扱うことにも、工夫が必要である。人の中で遊ぶという考えなしで扱うと誰かに迷惑をかけることにもなる。子どもは、遊びの主役になることで社会との距離を学んでいる。
 まだ十分に話が出来ない4歳児が、たき火をした際に手にした枝に火をつけた。スタッフは慌てるが、以前の記憶にあったマシュマロや餅を焼いたことを真似ているのだと分かるとその動きを見守ることが出来た。子どもの行動に物語を読むことができると優しくなることが出来る、と宮里さんはスタッフに話している。
 宮里さんも会場に問いかける。「子どもは宝というが誰の宝なのか?」。
 北浜公園はまちの人々の通りとしても使われている小さな公園である。ここにハンモックを吊り、時に火を熾し、ドラム缶風呂に入る子どもたちが居ると大変目立つ。「こんなことをしていいのか」と怒る人もいる。「懐かしい」と話しかける人もいる。今の子どもたちはたき火をする場所も機会もないことを伝えると、火を熾す体験は人として必要だ、と怒った人も市民としての規範意識から、人として生きる力を得ることへ意識が変わっていくという。子どもの遊ぶ姿が見えることの効果は大きい。スタッフは日頃から、公園を通る人に挨拶をして、話かけ、関係をつくることを大事にしている。現在ではスタッフの他に、安心して子どもたちに声をかけられる“おじさん”、“おばさん”が13名いる。もう知らない人ではなく、子どもの遊びを支える存在になっている。
 宮里さんは、「子どもたちの遊びを受け入れること、やさしさがあふれる地域の共育力を育むことは高嶺の花ではない」と言う。「子どもと大人が一緒に育っていると感じられる北浜の関係が本当の共育力ではないか。子どもは将来の担い手であるといわれるが、子どもが子どもであることこそが宝である」と語った。

 時間の都合により、スピーカーのお二人と参加者とのやり取りは十分にできなかったが、拠点を中心に関係が広がり、子どもの育ちを大事に思う大人が増え、不安が少なくなるまちづくりの話しに、参加者は大いに刺激を受けたことと思う。参加者のひとりは、「身近に遊び場をつくるための動きを直ぐ始めたい」と感想を寄せている。

 2期目をスタートしたきたざわ潤子は、政策【こどもの学び、遊びを保障する】の実現に向けて、こどもの感性を育てる環境づくりに関心のある人々と、共に考え、進めていく。