小川町・霜里農場の循環システムの見学会報告

「生産の喜びと誇りを取り戻した村は、美しくなる」~21世紀は耕す文化へ~ 

 11月8日、環境問題を学んだ有志14名で小川町に行ってきました。先日、細川和紙がユネスコ無形文化遺産に認定されたことで、脚光を浴びた小川町ですが、循環型自給自足の有機農業でもとても有名です。
 午後は、霜里農場に行き、代表の金子さんから有機農業の実践についてお聞きし、実際の現場を見せていただきました。子どもたちに確かな未来を手渡していく手ごたえを感じながら、納得のいく農業をしていくこと、まちづくりをしていくことは、コミュニティーの再生にも大きく関わることを感じました。「生産の喜びと誇りを取り戻した村は、美しくなる」金子さんのおっしゃった言葉の意味を、霜里農場の理念ある農業のあり方からしみじみと感じ取れました。
 この素晴らしい有機農法を日本中に広め、また世界中に輸出していくことができたらいいのに、と思いました。地方再生の鍵にもなるのではないでしょうか。「原発輸出より有機農業の輸出の方がいいね」とは、一緒に行った仲間の言葉です。

代表の金子さんのお話しより
★国の再生は農業から
日本の穀物自給率は2007年28パーセント 177か国と地域中124番目。
日本は「農業」という根っこのない国、まるで「切り花国家」。このままでは枯れてしまう。国の再生は農業から。資源枯渇、食糧不足・環境汚染の解決に向けても。
・近代農業の問題 → 化学肥料、農薬、殺虫剤への依存、経済優先の儲け主義
(殺虫剤と遺伝子組み換えの種子をセットで売り込むモンサント社)
病む家畜・平成20年、牛、豚の廃棄率は62%。内臓、肝臓、腎臓は塩素系農薬、重金属の影響。肺は、呼吸系、抗生物質耐性が疑われる。
病む作物・化学肥料で地力低下、病弱農作物 

有機農業の基本 
・土づくり
腐葉土・1平方センチメートルの土壌に数兆の微生物→いい土さえあれば、設計図は種の中にある。 
・鳥や虫との共存
化学肥料や農薬を使わない畑には、害虫を好物にする天敵が自然に集まってくる。
(アブラムシに対してはナナホシテントウムシ、アオムシに対してはクモ、アシナガバチ等)
・作付の工夫
いちごの苗のところどころに、ニラを植えておくと、その匂いを嫌って害虫がこない。

★依存しない・エネルギーの自給自足
・廃食油 → トラクター・ベンツ燃料
・太陽電池 → 灌水、放牧用電気柵、畑の灌漑、
・間伐材や家屋廃材、街路樹をウッドボイラーで燃やす → 床暖房やお風呂の温水に活用
・生ごみ・家畜のふん尿 → 液肥(畑の肥料に)とバイオガス(ガスはガス燈、料理、ガスストー  ブ、お風呂、温水器に)の生成
・落葉・生ごみ・剪定枝の堆肥